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レビアント家は代々武勇に秀でた家系で、毎年冬の訪れ間近い季節になると、腕に覚えのある騎士たちを集めて武術大会を行うのを恒例としていた。

今年も武術大会への参加者が国の内外に募られ、レビアント家にはぞくぞくと多くの騎士たちが訪れ屋敷に逗留していた。

そして大会もいよいよ数日後に迫った今夜、屋敷では逗留している客人たちをもてなすため広い応接間に宴席が設けられ、盛大な晩さん会が開かれていた。

まず宴の余興に、街から呼び寄せられた女たちの妖艶な踊りが披露され、騎士たちの目を楽しませた。

それが終わると、大食漢ぞろいの騎士たちの腹をみたすための豪華な食事と酒がふるまわれた。

騎士たちはみな上機嫌で食事に舌鼓をうち、明日の好敵手相手に酒を酌み交わし、互いの武勇伝に花を咲かせはじめた。

「そういえば、今年はレビアント家からは武術大会に参加される方はおられぬそうだな。昨年はレビアント卿の弟君が参加され、惜しくも優勝は逃されたが、決勝まで勝ち抜かれたその腕前はなかなかのものであったが」

騎士たちの中でも、とりわけでっぷりとした赤ら顔の騎士が言った。

「貴殿も昨年、武術大会に参加されたのか? 」

尋ねたのは、すぐ隣に座っていた年若い騎士で、武術大会への参加は今回が初めての男だった。

「ああ、だが優勝者と一回戦で戦うはめになってな。残念な結果に終わってしまったのだよ。この武術大会は前年の優勝者は参加できぬ決まりだから、今年こそはと参戦してきたのよ」

「そうであったか。それは楽しみなことだな」

そう気のない相槌をうちながら、年若い騎士は赤ら顔の騎士に向かって言った。

「それにしても、主催者のレビアント家から一人も参加されぬというのは、珍しいことだな」

「そういえば、これまでは親戚筋から誰かしらが参戦しておられたが。何か不都合でもあったのであろうか」

赤ら顔の騎士も、はたと食事の手をとめ、考え込んだようにつぶやいた。

「昨年惜しくも優勝を逃されたという弟君など、今年こそはと息巻いておられそうなものだが」

年若い騎士が、腕組みをしながら言った。

「弟君はご病気という噂もあるようだ」

赤ら顔の騎士が、辺りを気にしながらやや声を落として言った。

すると、年若い騎士は納得した様子で言った。

「それは残念なことだな。だが、おかげでこちらは強敵が一人減ったともいえる」

それを聞いて、赤ら顔の騎士が豪快な笑い声をあげた。



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