ファンタジーガーデン

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ユノーの友人 1

 20, 2013 01:45
ユノーは、大きな樫の木の根元にある彼のねぐらから頭を出し、用心深く外敵に注意しながら周囲を見回した。じき太陽も真上に射しかかる。いくらのんびり屋の友人とはいえ、もうそろそろ姿を見せてもよさそうな刻限だ。ユノーは舌打ちした。
(レグルスがやって来る前に、我が家に到着してくれるといいがー)
 ユノーは気がかりな様子で、ファンタジーガーデンの方を振り返った。
 ユノーの友人はとても風変わりな生き物で、初めて目にした者は決まって腰を抜かしてしまう。決して相手を襲うような凶暴さなど微塵も持ち合わせない、いたって温厚な生き物なのだが、その見た目の恐ろしさから、そういう反応を取られてしまうのだ。
 ユノーはせっかく友人として紹介しようと招いたレグルスを、むやみに驚かせたくはないと思っていた。しかし明け方には到着する予定だったものが、もう昼間近になってしまった。ユノーはしだいに気を揉みはじめた。友人がユノーのもとを訪れるのは随分と久しぶりのことであった。もしかしたら、道に迷ってしまったのかも知れない。そんな不安が彼の脳裏を掠める。
 折もおり、ユノーはたまたま近くの木の梢に飛んできてさえずり始めた赤い小鳥を見つけ声をかけた。レグルスがここに到着する前に、彼に湖のほとりにある姉妹岩へと向かうよう伝言を頼もうと考えたのである。
 小鳥はよくこの辺りを飛び回っていたので、ユノーとは以前から顔見知りであった。彼はユノーが事情を話すと、愛想良く二つ返事で承知した。
「君が行ってくれると、とても助かるよ!客人が遅れているので、わたしは様子を見に行こうと思うんだ。レグルスには、くれぐれも姉妹岩で待っているようにと伝えておくれ」
 ユノーは、この森では一目置かれるもぐらであった。大層な高齢らしかったが(実際の年齢を知っている者はなく、本人も決して明かそうとはしなかった・・・)、非常に賢くかつ勇敢で、かつて森で大火が起きた時、いち早く森の動物たちにそれと知らせ、自分は炎を恐れることなく走り回って、逃げ惑う獣たちを安全な場所へと導き避難させたという英雄伝の持ち主でもあった。
 小鳥は高らかな声で歌いつつ空へとはばたくと、ユノーの頼みに応じるため、ファンタジーガーデンの方へと向かって飛んで行った。
 やれやれ、と胸を撫で下ろし、ユノーは赤い小鳥の飛んで行った方向とは反対の道へと歩き始めた。


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