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ユノーの友人 7

 11, 2013 23:56
そのときであった。
すぐ目の前の湖面で大きなうねりが起き、レグルスははっとして湖をのぞいた。すると水面下に身をくねらせる巨大な黒い影がーー。
そう思った矢先、影はいっきに水面まで浮上すると激しく水面をうち叩き、勢いよく上空へと跳ねたのである。それは頭から尾びれまでの長さが5~6mはあろうかと思われる大物の鮒で、怪物はぱっくりと大口を開け、レグルスめがけて跳び出して来たのであった。
 レグルスは恐怖に青ざめ、たちまち逃げ出しそうになったが、「決して恐れてはならない!」というユノーの言葉が脳裏をよぎり、すんでのところで思いとどまった。
「そうだ、レグルス。鮒の尾びれにしがみつくんだ!」
 そんなレグルスに、大声で声援を送ったのはユノーであった。
 レグルスが声のする方を見ると、なんとユノーは灰色の獣スミスの頭の上に乗って、こちらを見返しているではないか。
「ユノー!」
 レグルスがそう叫んだのと、彼を呑み込もうと跳び上がった大鮒にスミスが飛びかかったのは同時であった。
 スミスは大鮒の横腹に爪をたてて前足で押さえ込み、そのまま地面へとねじ伏せたのである。レグルスもすかさず尾びれに跳びつき懸命に押さえつけた。大鮒は幾度ももんどりうって抵抗を試みていたが、やがて自分を押さえつけている獣を振り払うことはできぬと観念したのか、急に動かなくなった。
ユノーはスミスの頭の上に乗ったまま、ずっとそんな大鮒の様子をうかがっていた。
やがてしばらくすると、大鮒は弱々しい声で口を開いた。
「もう堪忍してください。その犬を襲ったことは謝りますから・・・」
 ぽつりとつぶやいたその声が、人のものであったことにレグルスが驚いていると、大鮒の姿はみるみる若い女の顔をした人魚へと変わっていった。
「さて、どうしたものかな?」
 ユノーは大鮒が姿を変えたことに別段動揺するでもなく、人魚を見据えたまま思わせぶりにそう言った。
 人魚は顔をしかめ縋るような目で、「わたしにできることは何でもしますから、どうか見逃してください・・・」とユノーを見上げ懇願した。するとユノーは「では一つ、頼みを聞いて貰うことにしよう」と言って、人魚を睨み付けた。
「わたしたちを背中に乗せて、神秘の谷まで運んでもらおう。お前なら谷への近道を知っているだろうからね」


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