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風見鶏 11

 19, 2013 13:28
 最近ママは、パパと二人連れだって、ちょくちょく外へと食事に出かけるようになった。
「真子ちゃん。ママちょっとパパと一緒に出かけてくるわね」
 ママったら、真子がめいっぱい恨めしそうな顔をしてママを見つめていても知らんぷり。
「2時間まではかからないと思うから、一人でお留守番できるわよねぇ。真子はもうお姉ちゃんだもの!」
 なんて間延びした声で言うだけだ。こういう時のママは、真子がなんて言っても無駄。いくら「ママ行かないで!」ってお願いしても、「真子だけおいてくなんてひどい!」って抗議しても、「大丈夫よ。すぐに帰って来るんだから」となだめ口調でかえされるのが関の山。

 この間遊びに来てくれた明お兄ちゃんに訊ねたら、「いまママはとても仕事が忙しいんだよ。たまには家事を休んで息抜きもしなくちゃね」と言ってたけど、真子一人お留守番させられるのはやっぱり嫌。どうして一緒に連れて行ってくれないのだろう?って悲しい気持ちになる。
 ついさっきもダイニングテーブルの上に置いてあった携帯電話が鳴ったかと思うと、「あらパパ、早いわね!」と叫ぶママの嬉しそうな声が響いてきた。真子が不安になって近寄っていくと、やっぱり電話口のパパに外食しようともちかけている。
真子はママが電話を切るのを待って、悲しそうな声で話しかけた。
「ねえ、ママ・・・」
 けれどママは、取り付く島もない言い方で真子に背を向ける。
「真子ちゃん。ちょっとお留守番しててくれる?」
 そう言って手早くエプロンをはずしてダイニングテーブルの上に置くと、リビング奥の階段をとんとんと上がって行く。真子は慌てて後を追った。ママは突当りの寝室のドアを開けながら、足下の真子を見下ろしてさらりとした口調で言い添えた。
「そんなに遅くはならないから・・・」
ーー真子はがっくりと首を項垂れた。尻尾は力なく床につき、悄然とした様子で寝室の床に座り込む。
だがこの時何気なく後ろを振り返ったママは、自分の顔色をうかがうように見上げる哀れな様子の真子の姿を目にしてさすがに胸が痛んだ。これまで自分の気が晴れず出かけることばかり考えて、真子を気に留めていなかったことが後悔されてきた。ママはそっと真子のそばに寄ると、頭を何度も撫でながら、「ごめんね。なるべく早く帰るから・・・」と優しい声をかけた。
すると真子は、少し元気を取り戻して言った。
「ほんと?じゃあ早く帰って来てね!」
 そう言って心持ち尻尾を振り、ママを送り出したのだった。
 

 住宅地を抜け駅へと向かう道すがら、夜道を照らす街灯の数がしだいに増え、飲食店の看板がちらほら見え始める商店街の入り口間際まで来たところで、ママは立ち止まり心の中でつぶやいた。
(決めたわ!もう、真子を置いて外出するのはやめよう!だって、いつだって真子が一番わたしを癒してくれるもの・・・。真子が嬉しそうにしてると、わたしも元気をもらえる。だから明日からは、真子をお留守番させるのはやめにしましょう!)
 
こうしてママは待ち合わせ場所まで行きパパとおちあうと、その足ですぐに家に帰り、真子を喜ばせたのだった・・・めでたし、めでたし。

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COMMENT - 10

Thu
2013.09.19
20:56

マウントエレファント #TO/PCoV.

URL

母性愛が伝わってきます

母親を恋しく思う子供心と、子どもを愛おしく想う母親の心の揺らぎがよく描けていますね。

宇野千代も言っていました、書けても書けなくても、毎日机に向かうことが重要なのだと。

ボクの毎日も、けっこうトラブルばかりですよ。
でも、家に帰れば、習慣のように机の前に座ってしまう。
そして、いろいろ考えずに、日中思いついたワクワクすることを書いてみる。
受けても受けなくても、飾らずに素直に自分を出し続ける。その先に成長があると信じながら。

できあがったものは、自分が見てもくだらないなぁ、と思うものばかりですが、どれも愛おしいです。
その喜びに出会いたくって、書いているのかな。

エンジェルスさんの作品からも、作品に込めた愛情がビシバシ伝わってきますよ。
それがある限り、大丈夫だと思います。

Edit | Reply | 
Fri
2013.09.20
01:39

エンジェルズアイ #-

URL

Re: 母性愛が伝わってきます

・・・いろいろ考えずに、日中思いついたワクワクすることを書いてみる。

そうですよねぇ。わたし昔から「考えすぎだ」って周囲の人によく言われるんです。机に向かっても雑念が多くて作品に集中できない。性格って言ってしまえばそこまでですけど、余計なことを考えないようにするっていうのは、気の持ちようっていうか・・・訓練で克服できるような気もします。
問題は自分が真剣にその訓練を自分に課すことができるかーーですよね。
わたしの遅筆の大きな原因の一つが、実際のところ雑念の多さにあるように思います。
出版社の方にも言われたのですが、わたしーー物語のアイデアは比較的浮かびやすい質だと思うんです。ただ、それを作品として完成させる段になると、ついつい雑念が湧いてきてしまう。集中力云々というよりは、ふわふわ想像を巡らして遊んでいたいという衝動に駆られるっていった表現があっているように思います。
物語をまとめていくのって、地味で根気のいる作業ですからね。頭の中で想像するだけなら、物語の世界を自由自在に飛び回れるわけですから、苦労なんてありませんしね。
それに加えて、今度は日常のとりとめのないことなども考え始めたりするーー。こうなったらもう、筆は完全に止まってしまいます。
今のところは、「自分にできる範囲のことだけはやろう!」を座右の銘にして、途中で遊びに耽ったり投げ出すことのないよう何とか自分を戒めているところです。
書くことは好きなはずなのに、自分の納得いく表現ができないと自分に腹が立って思うように筆が進まない・・・ってこともありますね。(まあ、私の場合はそういうことは少ない方だと思うんですけど)
やっぱり一番筆が進まない理由は、想像の世界を容易に自分の方に引き寄せられないことかな・・・。そのコツさえ見つけられれば、少しは筆も早くなるとは思うんですけど。
執筆の苦労は、皆さんそれぞれにあると思うのですが、どういう工夫をなさっているかとても興味があります。

Edit | Reply | 
Sat
2013.09.21
22:40

のん #-

URL

NoTitle

こんばんは、エンジェルズアイさん。
読んでいて思わず、出かけるとき留守番させる我が家の犬の顔がちらついて、ごめんごめんごめん~~ってなりました(笑)。勝手で本当にごめんねぇ、もも(←我が家の犬の名前ですw)。

>書くことは好きなはずなのに、自分の納得いく表現ができないと自分に腹が立って思うように筆が進まない
コレは本当に苛々しますよね~。私の場合は、悩んで書いて消して、悩んで書いて消してを繰り返した結果、最終的にはもう、今の自分にはこれが限界なんだと開き直って、納得のいかないまま次に進んじゃってます。はっ…! だから成長しないのか!←今更w
頭の中の想像の世界で遊ぶのは物凄く楽しいんですけど、それを人と共有しようとすると本当に難しくて、だけどやっぱり、自分が作った愛しい世界を誰かと共有したいから、力の足りない自分に苛々して、しまいにゃうんざりしても、書くことをやめられないんですよね~……。まあ、私の場合は、自己満足の域を全く出れてないですけど(苦笑)。
みなさん本当に、「書きたいことは頭にしっかりあるのに、筆が進まない」ってなったとき、どうやって乗り越えてらっしゃるのか、私もお聞きしてみたいです。

Edit | Reply | 
Sun
2013.09.22
12:31

エンジェルズアイ #-

URL

Re: NoTitle

コメントありがとうございます^^

> みなさん本当に、「書きたいことは頭にしっかりあるのに、筆が進まない」ってなったとき、どうやって乗り越えてらっしゃるのか、私もお聞きしてみたいです。

思うことは皆同じですよね・・・。
筆の早い作家さんというのは、やはり抜群の集中力を持っていらっしゃるんでしょうね。
それと段取りもしっかり出来ているのだろうと。特にファンタジーだと、舞台設定が重要になりますしね。よく背開きに地図が書いてあったりしますよね。そこからか・・・なんて、自分の準備の不十分さを痛感したりして。
「書きたいこと」が書けない時、つい、この場面は本当に面白いのだろうか?と考え込んでしまうことがよくあります。構想を練った時は、それなりに基準をクリアしているように思っていた展開も、いざ書いてみると筆がのらない。面白い場面を書けてる時って筆の進みが良いものだから、自然疑問が湧いてしまうんですね。まあ、ずばりその通りということもあるし、そうではないけど書きづらい・・・ということもあるみたいですけど。そんな時は、一緒に考えてくれるパートナーが欲しくなったりもします。実際、二人組の作家さんていっぱいいますしね。
もし良かったら、今度わたしと一緒に共同作品とか書いてみませんか?
お暇な時でいいですから^^

Edit | Reply | 
Mon
2013.09.23
23:36

のん #-

URL

是非ぜひ!

わあ♪♪ 共同作品ですか♪♪ したことないんですけど、でも、楽しそう♪♪ こちらこそ是非に、お願いしますです!

プロの作家さんとか漫画家さんは、煮詰まったら、編集の担当さんが一緒に考えてくれたりするんでしょうかね。もしそうなら、羨ましい。そういう人が身近にいてくれたらなあって、度々思います。友人はやっぱりどうしても、『優しい配慮』をしてくれるので、忌憚ない意見を聞けることはなかなか少ないですし……。まあ読んでもらえるだけでも、ありがたいし、贅沢な望みなんですけども(笑)。多分、書き手のみなさんみんな、似た悩みをお持ちでしょうね。

作品作りの段取りのような立派なものではないですが、登場人物が生活している家や、部屋の間取り図、家具の雰囲気とか、詳細に考えるの、好きで、毎回作っちゃいます。誰に見せるわけでもないのに、しょっちゅう、時間も忘れて間取り図とか書いて、一人ニヤニヤしてます(笑)。需要は多分ないですけど、今度公開してみようかなと、ちょっと思いました^^。

Edit | Reply | 
Tue
2013.09.24
01:31

エンジェルズアイ #-

URL

Re: 是非ぜひ!

ありがとうございます^^
ご賛同いただけてとても嬉しいです。
急ぐ話ではないので、何か良いアイデアが浮かんだらまたご連絡しますね。
具体的な構想があるわけではないのですが、「けいおん」の世界観を彷彿とさせる物語なんて面白いかも・・・。のんさんも何か思いつくものがあったらご連絡下さいね。

Edit | Reply | 
Thu
2013.09.26
17:22

のん #-

URL

遅くなってすみません!

気づくのが遅くなってすみません><;
そして早速、質問してもよろしいでしょうか(汗)。
私のブログのほうに下さったコメントをお読みして、さきほどブロ友申請しようとしたのですが、「FC2IDを登録して、FC2ブログを作成してください」と返されまして…。FC2ブログを持っていなきゃ、ブロ友申請は出来ないってことでしょうか?? もしそうであれば、私のブログはgooだし、どうしたらいいのだろうかと首を捻っております。
すみません、恥ずかしながらアナログ人間なもので、こういうのの仕組みがよく分かりません(汗)。とりあえずFC2IDは登録しましたが、やはりそれだけじゃ、ブロ友申請はさせてくれないみたいです。
何か、やり方を間違っているのでしょうか…(悩)。お教えいただければ、幸いです~…。

Edit | Reply | 
Thu
2013.09.26
18:18

エンジェルズアイ #-

URL

Re: 遅くなってすみません!

こちらこそ、ご迷惑をおかけして申し訳ありません。
確かにブロ友申請は、FC2ブログを持っている方でないと利用できないようです^^;
別な連絡方法として、「メールフォーム」を利用するという方法もあります。
こちらからメッセージを送っていただければ折り返し返信させていただきますので、今後の連絡がスムーズになるかと思います。
お手数をおかけしますが、どうぞよろしくお願い致しますm(_ _)m

Edit | Reply | 
Thu
2013.09.26
20:01

エンジェルズアイ #-

URL

Re: Re: 遅くなってすみません!

追記です。
メッセージを送っていただく件ですが、メールフォームはアドレスが未入力でも、件名とお名前があれば送信可能ですので、お気軽にご利用下さい。
ただその場合には返信ができませんので、そちらのブログにもメールフォームを表示していただけますでしょうか?
よろしくお願い致します。

Edit | Reply | 
Thu
2013.09.26
21:46

のん #-

URL

ありがとうございます!

迅速且つ丁寧なご返答、ありがとうございます。ただいま、そちらにメールを送らせていただきました。また、私のブログのほうにも、メールフォームを設定しました。色々とお手数をおかけしてしまい、すみません(汗)。
短編についての案(相当漠然としたものですけど)について、メールで送っています。時間があるときに、ご覧になってみてください。
まだ何にも煮詰めていない状態の案なので、これはちょっとなぁ…という感じでしたら、忌憚なくおっしゃってくださいませ。また、他にそちらで考えている案があれば、お教えください。よろしくお願いします。

Edit | Reply | 

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