ファンタジーガーデン

自作のファンタジー小説と日々の日記のブログ

Take a look at this

スポンサーサイト

 --, -- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  •   --, -- --:--

詩人の小部屋 3

 28, 2013 23:56
詩人の小部屋3回目の今日は、イギリスのヴィクトリア朝時代を代表する詩人アルフレッド・テニスンをご紹介したいと思います。
数ある彼の詩の中から今回取り上げるのは、テニスンが桂冠詩人に任命された年に刊行された挽歌「イン・メモリアム」。この詩は大変長文のため、やむなく個人的にとりわけ印象深く感じられた一節のみを抜粋して、ご紹介させていただこうと思います。とはいえ、この詩のいずれの箇所も非常に素晴らしく、もし機会があれば、是非とも皆様には全文を読んでいただきたいと切に願っております。
悲しみの淵に立ちながら、それでもなお心に希望の灯をともす、彼の魂の詩をどうぞご堪能ください。  


 『イン・メモリアム』より

      Ⅶ

暗き家よ、私はまたしてもひとり佇(た)つ、
この陰惨な長い街並みのこの家に。
扉よ、ここではわが胸はいつも
動悸を打ちながら、友の手を待っていた。

その手はもはや握ることはできないーー
見よ、私は眠れぬままに
罪を犯した罪人のごとく
明けきらぬ暁、この扉に忍び寄る。

友はすでにこの世になく、はるか彼方で
生活のどよめきは再び始まる。
そぼ降る小糠(こぬか)雨のなか、物の怪のごとく
人影もなき街に侘しい一日が明けてゆく。

       Ⅺ

静けき朝(あした)、物音もなく
更に静かなる悲しみに相応しい静けさ、
わくら歯のあいだを縫ってぽとぽとと
聞こえるはただ栗の実の地面に落つる音。

静けさと深き安らぎのゆきわたるは、この小高い丘の上、
ハリエニシダを濡らすこの露の上、
そして蜘蛛の巣の、
緑と金の光を放つ銀糸の上。

静けさと静かなる光のゆきわたるは、彼方の大平原、
はるばると散らばる秋の日の四阿(あずまや)、
群がり寄り合う農家の家、小さく見える遠い塔、
果てを限るあの大海原。

静けさと深き安らぎのゆきわたるは、この広い大空、
紅葉して散りゆく木の葉、
そしてわが胸にもこの静けさがあるならば、
もしあるならば、それは静かなる諦め。

静けさと大海原には銀(しろがね)の眠り、
波は揺りかごを揺すって眠り、
あの友の気高き胸には死者の静けさ、
高まる波とのみ高まる胸に。


スポンサーサイト

COMMENT - 2

Wed
2013.10.30
19:42

マウントエレファント #TO/PCoV.

URL

素晴らしいですね

読むだけでガラッと崇高な気持ちに変えさせてくれる、素晴らしい詩ですね。
言葉にはこんな力があるのかと、驚かされました。
詩の力ってすごいですね。

Edit | Reply | 
Wed
2013.10.30
22:37

エンジェルズアイ #-

URL

Re: 素晴らしいですね

そうですよね!
わたしも初めてこの詩を読んだ時、悲しい詩であるにもかかわらず、いつまでも浸っていたくなるような深い感動を覚えました・・・。
詩人の奏でる卓越した言葉の旋律が、悲しみから静けさへと変化していく心情と美しく壮大な風景とをみごとに溶け合わせ、読む者の心を天の高みへと誘ってくれます。言葉のもつ力、本当に素晴らしいですよね!ご存じなかったのでしたら、ご紹介できて本当に嬉しいです(*´▽`*)

Edit | Reply | 

WHAT'S NEW?

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。