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自作のファンタジー小説と日々の日記のブログ

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妖精の帽子 3

 05, 2013 23:59
穏やかな日差しが射しこむ古い松の木のほこらに、青色帽子の妖精の家がありました。
この松の木は、海を一望できる小高い丘の上に立っていました。ですからほこらからの眺めは抜群で、青色帽子の妖精はそこが気に入って、ここに家をこしらえたのでした。彼の自慢は木の幹をくり抜いて作った4つの丸い小窓。1日の始め、朝起きてこの窓からの素晴らしい景色を眺めるたび、彼はいつもとても幸せな気持ちになるのでした。
そんな見晴らしの良い青色帽子の妖精の家を訪ねて、ある日緑色帽子の妖精が訪ねて来ました。

緑色帽子の妖精
「好いお天気だね!青色帽子くん。今日はオレンジ帽子くんは来ているかい?」
青色帽子の妖精
「ううん、来てないよ。オレンジ帽子くんなら確か、5番町通りまで出かけるって言っていたように思うけど」
緑色帽子の妖精
「そうか・・・。青色帽子君は、今日は出かけないの?」
青色帽子の妖精
「ああ、僕は・・・、ちょっと済ませておきたい用事があってね」
 青色帽子の妖精はそう言って、書斎の机に腰かけ熱心に何かを書き始めました
緑色帽子の妖精
「誰かに、手紙を書いているの?」
青色帽子の妖精
「うん。昨日、古い友人から手紙が届いてね。今、その返事を書いているんだ」
緑色帽子の妖精
「へえ、そうなんだ。こんな時、人間たちなら携帯のメールで済ませてしまうんだろうね」
青色帽子の妖精
「そうだね・・・。携帯メールなら返事が早くて便利だろうけど、ぼくらには必要ないね。急いでいる訳じゃないし、それにメールのやりとりがトラブルの原因になることもあるみたいだからね」
緑色帽子の妖精
「以前人間たちが手紙でやりとりしていた頃は、もっとゆったりとした付き合いをしていたような気がするね。でも今は、なんだかとても忙しない感じがする・・・」
青色帽子の妖精
「ぼくら妖精は、ゆったりと時間を過ごすことをとても大切にする。だから携帯メールは必要ないね。相手と連絡が取れるまでは、別な事をして時間を過ごすし、ときおり思い出しながら待つのを、楽しみにさえ思う」
緑色帽子の妖精
「今の人間たちは、メールを送った相手からすぐに返事が来ないと、苛々して腹をたてるらしいね」
青色帽子の妖精
「それはいけないね・・・」
緑色帽子の妖精
「どうやら人間たちは、時を楽しむことができなくなってしまったようだね」
青色帽子の妖精
「人間の世界では、何事も飛ぶように過ぎていくんだ。<時間に追われる>って言葉を彼らはよく使っているね」
緑色帽子の妖精
「でも時間をかけるってことも、とても大切なことなのにね。森の木々は長い年月を生きることによって、より成長し周囲のさまざまな生き物の命をも育む。秋には葉を落とし、大地から姿を消してしまう小さな草花だってそうだよ。年を経るごとに地にしっかりと伸びていく根のおかげで、春を迎え芽吹いた葉や茎がより大きな株となり、たくさんの花を咲かせるんだ。人と人との関係もそうなんじゃないかな?お互いの絆をより深めるためには、時間が必要な気がするよ」
青色帽子の妖精
「時の過ごし方について、人間たちにもっと違う考え方も持って欲しいね」
緑色帽子の妖精
「豊かな時の過ごし方が、豊かな人生にも結びつく。そのことに早く気づいて欲しいよね・・・」


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COMMENT - 2

Wed
2013.11.06
19:43

マウントエレファント #TO/PCoV.

URL

ゆったりがいいですね

あくせくと時間に追われて過ごしていると、何か大切なことを忘れてしまうような気がするんですよね。
暖炉にあたりながら、子どもに絵本を読んで聞かせるみたいな、そういうゆったりと時間を楽しむのが幸せっていうんだよなぁ、なんてこのお話を読みながら思いました。

Edit | Reply | 
Thu
2013.11.07
11:09

エンジェルズアイ #-

URL

Re: ゆったりがいいですね

> あくせくと時間に追われて過ごしていると、何か大切なことを忘れてしまうような気がするんですよね。

本当にそうですよね。結果を求める(それも少しでも早く!)現代社会で、ゆったりと時間を過ごすというのはとても難しいことです。けれども充実した時間を過ごすことで、人生は大きく変わるような気がします。物質的な面だけでなく、精神面でも満たされなければ、人はなかなか幸せを感じにくいのではないでしょうか。
 GDP世界第3位を誇る日本が、なぜか「幸せを感じている国民の割合」では90位と下位に甘んじている理由がそこにはあるように思います。
 先日面白い記事を読みました。個人のブログで、旗本の出として気位の高かったおじい様の逸話が書かれていました。その中の逸話に、おじい様は普段から「金銭のような不浄のものは手にしない!」と仰って、決してお金を持ち歩こうとなさらなかった、という件がありました。
 とても興味深いお話しです。何よりも名誉を重んじた、武士らしい発言といえますよね。それに・・・ある意味、確信をついた言葉のようにも感じました。
 お金だけが全てじゃない、とはよく聞く言葉ですが、お金を不浄なもの!と蔑視する言葉は、じつに鮮烈に心に響きました。人生における大切なもの・・・、改めて考え直してみたいですよね。

Edit | Reply | 

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