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自作のファンタジー小説と日々の日記のブログ

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月夜物語 2

 13, 2017 00:13
この様子に、森の守護者に忠実な精霊は、あの騎士が森の領主であるレビアント卿の屋敷に出入りしていたことを話し、自分がレビアント卿の屋敷に出向き、騎士を森に誘い出しましょうと申し出た。

精霊もまた、悲しみにくれる一途な妖精の姿に、かねてから深い同情を寄せていたのである。

「領主のレビアントとは、どのような人物か」

ユニコーンは精霊の身を案じて問うた。

元来、精霊は賢く人の世の事情にも通じているが、善良なるがゆえに人の悪意を見抜けぬという盲点も有していた。

首尾よく人の姿をして屋敷に入り込めても、屋敷の主人が悪意に満ちた人物ならば、正体を見抜いた途端、尊い精霊を騙してとらえてしまうかもしれない。

精霊の流す涙は、人にとっては神の妙薬。これを飲めば、いかなる病も癒すことができるという。

「レビアント卿は人望が高く、私財を投じて氾濫を繰り返す川の干拓事業に取り組むなど、領民たちにおおいに慕われる人物と伝え聞いております」

精霊の言葉にユニコーンは胸をなでおろし、大きくうなずいた。

「ならば行って、妖精が慕う騎士をこの森へと導いてくるがよい。恋しい騎士の姿を見れば、不幸な妖精もきっと心にかすかな希望の光を灯すことであろう」


何という悲劇であろうか。

恋がいかなるものかを知らず、純粋で高潔な心しか持ち合わせぬユニコーン。

愛しい者との再会が、ときとして恋する者の身の上にどれほどの不幸をもたらすかもしれぬということには、とうてい思いの及ばぬことであった。

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