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月夜物語 18

 03, 2017 21:25
それにしても、少年を決闘の場に立たそうとしたその卑劣なやり口には激しい憤りを覚える。

アレクの人柄を知っての企てなら、命を落とさせようとの目論見があったとも考えられる。

森で出会った娘にひと目で恋し、さらにその娘にふられて今は失意の念に駆られているアレクの事情に通じていることを考えると、あの神秘の湖に土地勘のある者であろうとの推察もたつ。

アレクの命を狙った理由は何なのか。

娘がアレクに恨みを抱いているという話はねつ造だとしても、彼女と無関係とはいえぬかもしれない。

そんな思いから、ロディウスはある決意をした。

それは決闘の理由の真偽を確かめるため、アレクが恋に落ちたという娘に会ってみることである。

病み上がりの体で、深い森の奥に分け入り湖まで辿り着くのは容易なことではなかったが、娘の本心をどうしても自ら確かめてみたいとロディウスは思った。

ロディウスは屋敷の回廊へと出て、そこから広い中庭へとおりた。

夕べの強風で落ちた枯葉が、レンガ造りの石畳の上に散らばっている。

その枯葉を踏みしだきながら、庭の中央にすえられた噴水へと歩いて行く。

ここはロディウスが、一人で考え事をしたいときによく来る場所であった。

まだ幼かった頃、厳格な父に叱られここでしょんぼりしていると、見かねた使用人のリカルドが、優しく声かけしてくれたものだった。

高齢だった父は、ロディウスがまだ剣術を習い始めた少年の頃に他界した。

老衰という言葉を聞いたのは、この時が初めてだった。

それほどの年なのにロディウスが生まれ、周囲からロディウスの母に疑惑の目が向けられた。

二度目の妻であった彼の母が、ひそかに別な男との間にもうけた子なのではないかという噂も流れたようだったが、亡き父はそれをきっぱりと否定したという。

厳格な性分は、腹違いの長兄にも受け継がれている。

ロディウスはときおり、兄であるレビアント卿に父の面影を重ね合わせることがあった。

兄は決闘に不正が行われたと知ったとき、自分を許してくれるだろうか。

たとえ友を救うためとはいえ、騎士としての矜持を思えば、許し難い行為に違いない。


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