ファンタジーガーデン

自作のファンタジー小説と日々の日記のブログ

Take a look at this

スポンサーサイト

 --, -- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  •   --, -- --:--

月夜物語 19

 04, 2017 22:31
その時、一陣の風が渦を巻くように枯葉を吹きあげ、噴水前の台座に腰をおろしたロディウスの前を通り過ぎていった。

ロディウスの脳裏に、アレクの虚ろな表情がうかぶ。

まるで魂が抜け落ちてしまったかのように無気力な目、哀しみをこらえた寂しげな横顔。

どう思い巡らしても、裏切られたのはアレクの方としか思いようがない。

ロディウスは心を奮いたたせた。

とにかく、真実を確かめることだ。

ロディウスの耳に、遠くの森でさえずる小鳥の甲高い声が届く。

一羽の小鳥でさえ、危険を感じれば仲間のためにさえずる事を怠ったりはせぬものだ。

まして親友のために策をめぐらす事に、何を恥じることなどあろうか。

迷いをふりはらように顔を上げ、ロディウスは神秘の湖がある森の方を静かに眺めた。


その頃リカルドは、騎士たちの中であらかじめ目星をつけていた数人の者の他に、新たに二人の騎士にも目をつけ声をかけていた。

彼らはみな年恰好はアレクとよく似ていたが、決闘の代役となれば、それなりに腕の立つ者の方が都合が良い。

老いたとはいえ、長年レビアント家に仕えてきたリカルドは、騎士を見る目には自信があった。

彼らの立ち居振る舞いをみれば、おおよその剣の腕前を見極められる。

そんなリカルドであったから、決闘を申し込んだあの少年は、実は剣をもったことすらないのではないかと怪しんでもいた。

若き主の本意をくめば、少年を殺めることなく、それでいてサムウエルが勝利を認める審判を下すような腕を持つ者でなくてはならない、というのがリカルドの考えであった。

予め目星をつけていた騎士は幾度か武術大会に参加していたため、剣の腕も人物の器もしれていたが、サムウエルから勝ちを認めてもらえるかという点になると、はなはだ疑問が残った。

それで、別な二人の騎士にも目をつけ声をかけたのである。


スポンサーサイト

COMMENT - 0

WHAT'S NEW?

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。