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童話 メリルさんの悩み 12

 23, 2012 22:14
 「そうですね。チャールズとは同年代です。少しチャールズの方が私より年は上ですがーー」
 そう言ってギルバート氏は席を立ち、窓際に置かれた執務用の机のひきだしから一通の封筒を取り出した。彼はソファに腰かけているデービッドに歩み寄り、封筒を手渡して言った。
「中に写真が入っています。どうぞご覧ください」
 デービッドが封筒の中身を取り出すと、そこには1通の手紙とそれに添えられた写真が出てきた。
「これ、母さんの写真だね!」
 写真には、まだうら若いデービッドの母が写っていた。中央の椅子に腰かけている彼女の両脇に、青年らしい精悍な表情のチャールズ氏とギルバート氏が並び立ち写っている。
「デービッド様のお母君と私たちは、同じ町で生まれ育ちました。ですから、私もチャールズもお母君とは親しい間柄でございます」
 ギルバート氏は片手を胸に当て、デービッドに向かい軽くお辞儀をした。
「チャールズさんは大富豪だってクリスから聞いたけど、お祖父様とも親しいのかしら?」
 デービッドがつぶやくように言うと、ギルバート氏は苦笑いを浮かべて言った。
「親しいという表現が当てはまるかどうか……。ただ伯爵の事業には、幾度となく関わっております」
 デービッドは思いつめた顔でギルバート氏の顔を見つめた。
「ギルバートさん。僕、チャールズさんに会いたいんだ!」
 ギルバート氏は、怪訝そうにデービッドを見返してたずねた。
「デービッド様は、どこでチャールズをお知りになったのですか?」
 そこでデービッドは、昼間チャールズ氏の馬車に轢かれそうになったカラスを助けたことを話した。ギルバートは興味深げに話を聞いていたが、チャールズ氏に会いたいというデービッドの真意を測りかねるのか、釈然としない表情を浮かべていた。
「……探してもらえるかしら?」
 デービッドの真剣な眼差しに、ギルバート氏はようやく意を決して答えた。
「もちろんでございます。チャールズの立ち寄りそうな場所に心当たりがありますから、早速調べてみましょう!」
 ギルバート氏はそう言うと、穏やかな声でつけ足した。
「チャールズはきっと、デービッド様が会いたがっていると知ればとても喜ぶことでしょう!」
 デービッドは聡明な執事の言葉に一瞬困惑したが、持ち前の快活さは長く彼を不安に苛ませはしなかった。
 デービッドはチャールズ氏と会うときには、クリス老人とカラスも一緒に同席させたいのだとギルバート氏に告げた。ギルバート氏はとっさに何か言いたげな顔をしたが、結局あえて問うことはせず、「分かりました」とだけ短く答えた。



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COMMENT - 2

Sat
2012.09.29
19:12

ガボ #-

URL

No title

児童書ランキング1位おめでとうございます

肩にカラスを乗せている人を見かけたら、誰だってちょっとはひいてしまいますよね ^_^;



Edit | Reply | 
Sat
2012.09.29
22:59

エンジェルズアイ #-

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コメントありがとうございます!

いつもご訪問ありがとうございます!
温かいメッセージをいただいて、とても励みになります。
これからも、どうぞよろししくお願い致します。

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