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KURAMA (番外) 4

 06, 2012 11:06
 こんにちは。木下と申します。
 わたくしは檀上家の斜向かいに住む年寄でして、ご近所の方々からは木下のご隠居さんと呼ばれております。ちなみに、KURAMAの本編ではちょい役で出ております。
 このたび作者殿が番外編を書かれるということで、こちらにはちょくちょく出させてもらえることとあいなりました。
 そこで今回は自己紹介もかねまして、わたくしの日常やら趣味の話やらをしてみようかと思います。
 ええ~わたくしの一日は、まず朝5時の庭の掃き掃除から始まります。
ーーえ、そんなことはいい?
ーーそういうキャラではない?
 はあ、これは大変失礼いたしました。実はわたくし謎の多い人物ということで、9月21日に作者殿からの紹介があったばかりでございました。つまり、そのへんの年寄りとはちょいと違うという訳ですな。なにしろ謎の多い人物でございますから。
 ええ~謎の多い人物ーー、謎の多い人物?というのは、作者殿どういう意味合いでございますかな?
 は?ああ、陰陽道の達人!ああ、そういう意味でございましたか。なるほど!確かにわたくし、こうみえて陰陽師のはしくれにございます。
 陰陽師といえば皆様ご存知かと思われますが、式神というものを操ります。わたくしも長年一人暮らしをしておりますので、この式神はなくてはならぬ存在でございます。家事はもちろん、昼夜を問わずもののけの番もいたしますので、たいへん重宝いたします。
 現代にもののけなどいない?とんでもございません!うじゃうじゃおりますぞ。きつねだの、天狗だの、化け猫だのーー、近頃は落ち武者が裁判にも出廷するありさまではございませんか!?
 まあ、それはさておきまして。式神というものは自在に姿を変えることができます。でもって、ここに陰陽師の好みが出るわけですな。わたくしの好みはやはりうら若い女性に限りますな。いつぞや、わが家をのぞき見していた若者が、てっきり式神をわたくしの孫だと思い込み洗濯ものを盗みに庭に侵入したことがございましてな。もちろん、洗濯ものはわたくしのものしかございません。男ががっかりしているところへ、式神の通報を受けた警察がやってきて逮捕とあいなりました。うちの式神はめっぽう色っぽいいい女でございますから、魔がさすのも分からぬではございませんがな。
 そう言えば以前、檀上家の比叡君がわが家の式神に目をとめ、用もないのにわたくしのところを訪ねては、式神のいれる茶を楽しみにしていたことがありましたな。もっとも比叡君は式神の正体を知っておりましたから、のぼせあがることはありませんでしたが。


       ***********


「なあ、木下のご隠居さん。この式神、どうやってつくるんだい?俺にも教えてもらえないかなあ」
 比叡君は式神をじっと見つめつつ、真顔でそう申しました。
「天狗に式神は必要なかろう?あんたらには神通力があるのじゃから」
 わたくしがそうつっぱねますと、比叡君は口をとがらせて申します。
「俺の神通力じゃ自分が化けることで精一杯だよ。ご隠居のつくるこの式神はホントにいいよなあ」
 わたくしは少々いたずら心をおこしました。
「教えんでもないがな」
 比叡君はたちまち顔を輝かせました。
「ホントかい、ご隠居さん!?」
「ああホントだよ。だがその前に、式神を操る方法を学ばねばならんよ。つくれても操れねば大変なことになるからの」
 わたくしがそう申しますと、比叡君はそれもそうだと素直に教えを請う様子でおります。わたくしは面白くなって、2,3日修行のため我が家に泊まるようにと比叡君に申しました。
 

さて比叡君は檀上家から着替えなどを持って我が家にやってきますと、早々にこんなことを申しました。
「もしかすると滞在中に、女の人が訪ねてくるかも知れません。そのときはすぐに知らせて下さいよ。きっと急ぎの用があってのことだと思いますから」
 わたくしは真面目な顔で「承知した!」とこたえましたが、内心は(これはますます面白い)とひとりほくそ笑んでおりました。比叡君のいう女の人とは、高尾とか申す尼天狗のことだろうと見当がついていたからであります。
 その日から、わたくしは式神にとにかく比叡君の身の回りの世話をするようにと命じました。主人に忠実な式神は、それはもうかいがいしく比叡君の世話をいたしました。おかげで比叡君はすっかり式神にめろめろでございます。式神と分かってはいても、容姿端麗なおなごに尽くされては若い男の心がくすぐられぬわけがありませんからな。
 そして2日目の夜、わたくしは比叡君が寝入ったのを見計らって、式神に彼に添い寝するよう命じました。そうして、こっそり隣の部屋の襖を開け二人の様子をうかがっておりました。
 夜も更け、辺りはしんと静まりかえっておりましたが、ふいに寝返りを打った比叡君は隣に寝ている式神に触れ驚いて跳び起きました。
 式神はじっと目を閉じたまま、すやすやと眠っております。比叡君はその愛らしい顔をじっと見つめておりましたが、やがて震える手で式神の体に触れようといたしました。しかし、間際になってぶるぶると首を振ると立ちあがり、部屋の中をうろうろと歩き始めました。何やらぶつぶつ独りごとをいっておりますので、耳をそばだてますと、どうも高尾殿の名前を何度もつぶやいている様子。
 はは~ん。とわたくしは思いました。比叡君は高尾殿に懸想しておるようです。懸想って何?ああ、これは失礼いたしました。懸想とはすなわち恋心のことでございますな。ようするに比叡君は高尾に惚れておるということです。
 比叡君が式神の魅力にうちかてるかどうか、これは面白い!となおものぞいておりますと突然玄関でもの音がしました。このもの音は比叡君の耳にも届いたようでございました。比叡君はすっと座敷にかがみこみ外の様子をうかがいました。すると庭に面した障子に人影がーー。

「比叡。高尾です!」
 障子の向こうから聞こえてきたのは、凛とした女性の声。たちまち比叡君の顔が真っ青になりました。
「ーー高尾殿!?少々お待ち下さい。ただいま支度いたしますので」
 比叡君はおろおろしながら、部屋に寝ている式神をどうしたものかと頭をかきむしりました。
「何をしているのです。鞍馬様のご命令ですよ。急ぎなさい!」
 そういうが早いか、高尾は障子をがらりと開けました。
「……!?」
「高尾殿ーー」
 尼天狗はじっと式神と比叡君とを見つめておりましたが、やがてくるりと背を向け、ひとりでどこかへと飛んでいってしまいました。

 比叡君がその後どうしたか?
ーーまあ、それはひどい落ち込みようでございましたよ。
 わたくしは、式神相手に後ろめたいことなどしようはずもないのだから、そんなに気に病むことはなかろうよと申したのですがな。

 まあ、罪滅ぼしに今度二人の中を取り持つ算段でもいたしますか?

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COMMENT - 2

Tue
2012.10.09
03:04

Rosecomet #-

URL

No title

化け猫は会いたいな♪
(かなりの猫好きです)
でも落ち武者は無理
天狗なんてましてや無理ですw

Edit | Reply | 
Tue
2012.10.09
22:38

エンジェルズアイ #-

URL

Re: No title

化け猫は古来人を喰らうといわれていますが、猫というとなんとなく可愛げがありそうな気がしてしまいますね。猫好きな人なら、化けても襲わないかも?だったらいいけど(笑)

Edit | Reply | 

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